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慰安婦は「売春婦」か「性奴隷」か

まずは「当時の認識」について検証します。ネット上でよく知られているこの米軍報告書を参考に考えてみましょう。

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【邦訳】アメリカ戦時情報局心理作戦班
日本人捕虜尋問報告第49号-Yahoo!知恵袋
http://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/note/n185650
慰安婦」とは、将兵のために日本軍に所属している売春婦、つまり「従軍売春婦」にほかならない。
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このように当時の米軍は、慰安婦は売春婦と認識していたわけです。業者に騙されている例があろうと借金を背負っている例があろうとこの報告書において慰安婦は売春婦と表されており、この報告書には「性奴隷」なんて言葉は一切出てきません。


ならば、慰安婦は「単なる売春婦」でしょうか。

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衆議院会議録情報 第058回国会 社会労働委員会 第21号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/058/0200/05804260200021c.html
○実本政府委員
いま先生のお話にございますいわゆる慰安婦と申しますか、そういった人々の問題につきましては、援護法のたてまえからいたしますと、先ほど大臣も申し上げましたように、ちょっとそういう見地からの適用のことを考えたことがございませんので、実は何らそういう面からの実態を把握いたしておりません。ただ、大臣が先ほど申し上げましたように、現実に本来の慰安婦の仕事ができなくなったような状態、たとえば昭和二十年の四月以降のフィリピンというような状態を考えますと、もうそこへ行っていた慰安婦の人たちは一緒に銃をとって戦う、あるいは傷ついた兵隊さんの看護に回ってもらうというふうな状態で処理されたと申しますか、区処された人たちがあるわけでございまして、そういう人たちは戦闘参加者あるいは臨時看護婦というふうな身分でもってそういう仕事に従事中散っていかれた、こういうふうな方々につきましては、それは戦闘参加者なりあるいは軍属ということで処遇をいたしたケースが、先ほど四、五十と申し上げました中の大部分を占めておるわけでございます。
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特別な例かもしれませんが、このように慰安婦は売春のみを行っていたわけではなく、状況によっては直接間接に戦闘に協力する場合もあったようですので、「単なる売春婦」という表現は乱用すべきではないと私は思います。ちなみに、ペリリュー島の戦いに慰安婦が参加していたという伝説もあるようです。(あくまで伝説)

では、一部の人達が好んで使う「性奴隷」という言葉は適切でしょうか。もし「性奴隷」という言葉が、鎖につながれ無給で働かせられていた状況にある人達を意味するのであれば、慰安婦を性奴隷と呼ぶのは不適切でしょう。しかし欧米において「性奴隷」は広汎な用法があるため、その意味においては必ずしも慰安婦が性奴隷であったことは否定できないと私は思います。

性的奴隷-Wikipedia
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%80%A7%E7%9A%84%E5%A5%B4%E9%9A%B7
続・慰安婦騒動を考える:少々噛み合わなかった外国特派員協会でのやり取り
http://ianfukangaeru.blogspot.jp/2014/07/blog-post_5181.html?m=1
WSJが米軍慰安婦を「性奴隷」と表現する
http://makuma2.hatenablog.com/entry/2016/03/10/010845

では、慰安婦は性奴隷と呼ぶべきなのでしょうか。



下記ブログで紹介されている記事にあるように、慰安婦と名乗る女性の中にも「性奴隷」という言葉に不快感を示す方がいます。

続・慰安婦騒動を考える:「性奴隷と呼ばれたくない」
http://ianfukangaeru.blogspot.jp/2012/07/blog-post_16.html?m=1

したがって、普段「被害者の気持ち」「女性の尊厳」などを重視している人達こそ、「性奴隷」という呼称は避けるべきなのではないでしょうか。




以上のような観点から、慰安婦は基本的には軍用売春婦であるが、ある用法において性奴隷であることは必ずしも否定しない。しかしある定義によって日本軍慰安婦を性奴隷とみなすならば、その定義が他国の軍用売春婦にも当てはまるか否かという考察は、自由になされるべきである。元慰安婦の名誉のためにも国外の反発を避けるためにも、「売春婦」「性奴隷」の連呼は避けるべきである。私はこのように考えます。