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「日本人が知らない集団的自衛権」

慰安婦問題ばかり話すのも疲れるので、時々違う話もしようかと思います。読書のメモや感想など......


●小川 和久「日本人が知らない集団的自衛権」(文春新書、2014)


自衛隊は、海上自衛隊の対潜水艦戦能力と掃海能力は世界トップクラスであり、航空自衛隊の防空戦闘能力もアメリカやイスラエルに次ぐ水準と見てよいという。しかし他の部分はそれほどではなく、自衛隊は自立できない構造である。故に、日本の防衛力は自衛隊と日米同盟という二本の柱で成り立っている。

米軍基地を提供する日本はアメリカ本土と同じ位置付けの戦略的根拠地であり、既にアメリカとの間で集団的自衛権を行使している状態であると本書の筆者は考える。

日米同盟はアメリカにとってどんな利益になるのか。在日米軍基地は巨大な基地機能を有し、そこから展開する米軍の行動範囲は太平洋の日付変更線からアフリカ南端の喜望峰まで「地球の半分」であるという。従ってもし日本が日米同盟を解消した場合、アメリカは世界に対する影響力が大きく低下し大きなダメージを被る。

日米同盟は日本にとってどんな利益があるか。武田康裕、武藤攻両教授の試算を参考にすると日米同盟解体のコスト(自主防衛のコスト - 日米同盟のコスト)は年に22兆2661億円~23兆7661億円になるという。現在の安全は年間4兆8000億円の防衛費プラスアルファで実現されており、日米同盟は費用対効果に優れた安全保障体制であるという。また米軍が日本から出ていけば、大国アメリカが日本を敵性国家とみなす可能性なども考えられる。


印象に残った部分を以上に書きました。主題とは関係ない部分ばかりですが。日米同盟のアメリカにとっての利益という観点は個人的にはおもしろいと思いました。他には集団的自衛権と集団安全保障の違い、グレーゾーン事態、ポジティブリスト方式とネガティブリスト方式、集団的自衛権に関する報道の問題点などに関する記述があります。