マッチについて

マッチについて

マッチ(match)は細い軸木の先端に頭薬がつけてあり、それをマッチ箱の側面にある側薬(横薬)に擦り付ける事で発火する。どんなものに擦り付けても発火する、頭薬に黄燐が用いられた黄燐マッチが使用された時代もあったが、毒性や自然発火が問題視され、やがて使用禁止となった。日本では現在、黄燐マッチは労働安全衛生法の製造等禁止物質に指定されており、その取扱いは試験研究(研究機関等での実験室での取扱い)のみに限られている。

北海道大学労働安全本部
http://www.hokudai.ac.jp/bureau/safety/2-topics20151021.html

黄燐マッチに替わるものとして赤燐を用いた安全マッチが発明され、これは現在でも製造されている。安全マッチは、頭薬に塩素酸カリウム(KClO3)が用いられており、赤燐は側薬に用いられている。頭薬に赤燐が用いられているわけではない。

ところで赤燐と黄燐はどちらもリンの同素体とされていたが、黄燐は実際には赤燐などの不純物を含む粗製白リンであり同素体ではないようだ。黄燐の黄色は白リンの表面が微量の赤リンの膜で覆われてできたものらしい。

リン Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3

リンの同素体は赤リン、白リン、黒リン、紫リン、紅リンである。白リンの発火点は約60 ℃で些細な事で自然発火するため水中で保存するが、それ以外のリンの同素体は安定である。ちなみに粗製白リンたる黄リンも白リンと同様に水中で保存することになっている。


西部劇のカウボーイがブーツの底でシュッと擦って点火するマッチは黄燐マッチである、という話を聞いた事のあるひとは多いだろうし、私もそう思っていたのだが、下記サイトによるとあれは黄燐マッチではなく硫化燐マッチらしい

マッチの世界
http://www.match.or.jp/column/column01.html

硫化リンとはリンと硫黄の化合物の総称であり、PxSyで表される。

硫化燐マッチは、頭薬として三硫化四リン(P4S3)と塩素酸カリウム(KClO3)の重量比1:2の混合物が用いられている(「三硫化四リン」Wiki)。重量比で見れば塩素酸カリウムの方が多いようだ。硫化燐マッチは日本ではロウマッチとも呼ばれ、現在でも入手できるようだ。もし「カウボーイごっこ」がしたい人がいれば硫化燐マッチを使ってみてはどうだろうか?